コラム
目の栄養はコレ!眼科医に疲れ目に効く成分を聞いた!
目にいい栄養とは? 眼科医が教える成分3つ
ビルベリーなどに含まれるアントシアニン
アントシアニンは人体には存在せず、植物だけに含まれているポリフェノールです。
植物を有害な紫外線から保護する作用を持っています。強い抗酸化作用を持つため、目の老化防止につながり、老眼・白内障・加齢黄斑変性など、加齢に伴う目の病気を予防することができます。
また、毛細血管を保護することで、視機能に関わる組織への血流を促進してくれます。特に、ピント調節をつかさどる毛様体筋への血流が増加すれば、眼精疲労の原因であるピント調節機能の低下が改善され、目の疲労感を和らげることが期待できるでしょう。
ホウレン草などに含まれるルテイン/ゼアキサンチン
ルテインやゼアキサンチンは、もともと人体に含まれるカルテノイドです。
視機能に大きくかかわる「水晶体」や網膜の中心部「黄斑部」に存在している成分で、網膜にとって有害なブルーライトを吸収し、強い抗酸化作用により網膜の保護をしています。
しかし、体内に存在するルテインやゼアキサンチンは、加齢や喫煙、紫外線によって減るため、加齢とともにその予防効果が低下します。
これらの成分は、体内では作ることができないため、食事などで摂取するしかありません。積極的に摂取すれば、黄斑色素を増やすことができ、ぼやけやゆがみなどへの予防効果が期待できるでしょう。
精製によって作られる、フリー体ルテイン/ゼアキサンチン
ルテインやゼアキサンチンは、ホウレンソウやケールのような緑黄色野菜などに多く含まれています。
しかし、食品から摂取できるルテインやゼアキサンチンはエステル体であり、そのままの形では吸収することができず、分解されて初めて体内に吸収されます。
一方、精製して作られたフリー体のルテインやゼアキサンチンは、体内に存在するものと同じで、そのまま効率よく吸収することができます。
意識して食事で摂取したとしても、エステル体なので、効率が悪く十分量摂取するのはとても大変です。サプリメントなどで、フリー体のルテインやゼアキサンチンを直接取り入れるのもよいでしょう。
未来の目のためにできることを
体が元気なのに、目の不調が原因で外出が億劫になったり、趣味に打ち込めなくなったりしてしまうのはとても残念なことです。
目にいい栄養の補給に即効性はなく、治療にはなりませんが、目の健康づくりのために意識することは非常に効果的です。少し先の未来のために目の健康も大切にしていきましょう。
今回インタビューを受けてくれた眼科医
2011年3月三重大学医学部医学科卒業。研修医終了後、2013年4月より神戸大学病院眼科学教室入局を経て、三重大学病院眼科学教室に所属。約10年間眼科医として勤務し、加齢黄斑変性症や糖尿病網膜症をはじめとする網膜硝子体を専門とする傍ら、一般診療にも従事している。