まばたきの減少とまばたき不全

「最近、よく目が疲れる・・・」もしかすると、それはまばたきの減少によるドライアイかも知れません。 ドライアイを防ぐためにとても大切な働きをしているのが、「まばたき」です。 「まばたきをすると涙が目の表面に広げられ、目の表面が潤います。目の表面を潤すことで、 角膜が傷つくのを防いでいます。涙には抗体も含まれており、目を感染症から防ぐ役割も持っています。 近年は、パソコンやテレビ、スマホの画面などを見続ける生活(VDT 作業)により、 知らず知らずのうちに目を酷使した結果、目が疲れやすい、あるいは何となく目に不快を感じる、 視力が低下したという人が増えています。

まばたきとドライアイの関係

無意識に行っているまばたきは、「周期性まばたき」といい、普段は1 分間あたり10 ~ 20 回 前後行われていると言われています。ところが、VDT 作業では瞬目回数が減少することがわかりました。 1 分間にまばたきをする人がVDT平均15.5 回まばたきをする人がVDT 作業をした場合、次のようにまばたきの回数が減ってしまいます。

まばたき回数の比較

ベースライン
15.5回/分
タブレット
6回/分
パソコン
6.5回/分
パソコン (デスクトップに330%拡大)
11.5回/分

ドライアイによる視機能異常

ドライアイの方は、視力が良くても「目がかすむ」など視機能異常が起こることもあります。 それはさまざまな要因によって、涙が不安定になるために起きる現象で、下記のイラストのように視力検査のマークがかすんで見えるようなケースです。ドライアイは「目が乾く」や「目が疲れる」だけでなく、見え方にも影響を及ぼすケースがあります。

ドライアイによる視機能低下の例

マスクドライアイ?

コロナ禍に、イタリアの研究者が3,000人あまりを対象に行った調査※では、18.3%、約5人に1人が、マスクでドライアイの症状が悪化したと回答しました。 これは、海外の調査ですが、眼科専門医に聞くと、国内でもマスクでドライアイになる人が増える傾向になるそうです。マスクドライアイは、 マスクから空気が漏れて呼吸の旅に目に当たることで目が乾燥してしまうのが原因です。たとえ湿気のある「呼気」だとしても、空気が目に当たれば当たるほど、水分が奪われて目が乾いていくそうです。 マスクをする際は、しっかりと鼻に密着させるようにするなど、マスクの上部から息が漏れないように工夫しましょう。
※日本眼科医会 ドライアイによる眼精疲労より引用https://www.nichigan.or.jp/

まばたき不全に注意です!

目を守るためにも大切なまばたきですが、きちんと目を閉じていない人が増えています。その 大きな要因も、PC やスマホの使用。まばたきをする筋肉(眼輪筋) が衰え、完全にまぶたが 閉じない浅いまばたきになってしまいます。「まばたき不全」の対処法として、意識的にまぶたを閉じるようにすると、 2 週間ほどで正しいまばたきができるようになります。また、「眼輪筋」 を鍛える体操を行うことで、無意識にしているまばたきの質をあげることができます。

中川式まばたき体操

  1. 1 秒間に1 回まばたきをします。それを5 秒間。
  2. 1 秒間に2 回まばたきをします。それを5 秒間。
  3. 1 秒間に3回まばたきをします。それを5 秒間。
  4. 1 秒間に4回まばたきをします。それを5 秒間。
  5. 1 秒間に5 回!まばたきをします。それを5 秒間。
いかがでしたか?5回は大変ですが、ぜひトライしてみてください。
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文責:看護師:矢崎真弓