合併症に注意!アトピー性皮膚炎と目の関係

アトピー性皮膚炎は皮膚のかゆみや、赤み、発疹などの症状がありますが、顔面、特に目の周囲のかゆみが強いと、眠っている間に無意識に目のまわりを強くかいたり、たたいたりして、目の内部を傷つけてしまう場合があります。 アトピー性皮膚炎は、こどもによく見られるアレルギーで、成長すれば自然によくなるものと考えられていますが、自然環境やストレスの多い生活変化に伴い、思春期以降に悪化するタイプが増加しているようです。10~30歳代にみられるアトピー性皮膚炎の目の合併症には眼瞼や結膜のかゆみをおこすアレルギー性炎症だけでなく、白内障や網膜剥離など、重い視力障害につながるものがあります。顔面の皮膚炎の重症なタイプで、よく目をこすったり叩いたりする患者さんにみられることが多く、目の合併症は気づかずに進行していることもあります。

おもな合併症

5つの症状

アトピー性眼瞼炎
目の周囲の皮膚に炎症が起き、悪化すると上下のまぶたの皮膚が固く厚くなってしまいます。
アトピー性結膜炎
アレルギー性結膜炎と同じように痒くて充血し、涙が出たりしてしまう症状。
円錐角膜
かゆみで擦ることによって、角膜が薄くなり不正乱視がおこる非炎症性の疾患。
アトピー性白内障
水晶体が濁り見えにくくなる症状です。右のページで詳しく説明します。
アトピー性網膜剥離
網膜が剥がれてしまう症状。これも掻きすぎ等が多いと言われていますが、場合によっては失明に繋がる怖い症状です。

ステロイド剤と白内障

ステロイドの使用により、目に起こる副作用のひとつが白内障といわれています。 ですが、ステロイドを使用されている方すべてが白内障を発症するわけではなく、その因果関係もはっきりと証明されているわけではありません。ただ、そういう可能性があるということだけは心に留めておいていただければと思いますし、仮にステロイドの副作用によって白内障を発症したとしても、早期発見・早期治療によって悪化防止につながっていきます。

アトピー性白内障

アトピー性白内障は、幼児期から、青年期にかけて見られます。アトピー性白内障の水晶体の濁り方は、レンズの厚い部分(嚢)にヒトデ状・クローバー状に拡がる特徴があります。これらの状態の場合には短期間で水晶体全体が濁る成熟白内障に進んでしまうこともあります。 水晶体が白く濁ってしまうことで、まぶしさを感じたり、明るいところで物が見えにくい、まぶしいと感じることは、健康な人でも起こりえますが、白内障の場合のまぶしさは苦痛に感じるレベルで、目を開けることすらできないという状態になります。 アトピー性白内障は症状が急速に進んでしまうため、視力が一気に低下するのも特徴。症状が出始めてから数ヶ月で、目の前の指の数がわからなくなるほど急激に視力が低下する場合もあります。皮膚炎にかかっている時期が長いほど、また顔の皮膚症状が重いほど白内障を合併する率が高いといわれます。

アトピー性皮膚炎の眼合併症対策

1、正しいスキンケアを根気よく行う
・汗や汚れは速やかにおとす
・強くこすらない
・石鹸、シャンプーを使用するときは洗浄力の強いものを避け、十分にすすぐ
・洗った後はしっかり保湿

2、ステロイド外用薬は、使い方を正しく行う
ステロイド外用薬の副作用を出さないためには、湿疹があるうちは毎日しっかり決められた量、回数を使用し、皮膚を完全によい状態にすることが大切です。

3、目をかいたり、叩いたりしない
合併症対策は第一に外的要因を減らすことです。幼児の場合は目をかかないよう親御さんが注意を払わなければなりません。

4、栄養療法
生活面では本来ある体の機能を十二分に発揮する環境を作ることが大切です。新陳代謝に必要な栄養成分を満たし、ビタミンやミネラル、植物由来のフラボノイド、良質なタンパク質やアミノ酸を摂りましょう。さらに腸内環境がよくなければ、摂取したものが吸収されませんので、腸内環境を改善する事も栄養療法では重要です。
皮膚で起こっている炎症には活性酸素が大きく影響を及ぼしており、「いかに活性酸素対策を行うか」も重要です。抗酸化物質の産生量の低下を補うために、食事やサプリメントから抗酸化物質を積極的に摂取しましょう。皮膚科専門医とよく相談し、タイプにあった治療をすることが大切です。
いかがでしたか?5回は大変ですが、ぜひトライしてみてください。
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中川和宏 文責:看護師:矢崎真弓